明治生まれの気風のいい
おばあさんでしたよ.....怖いけどね
母方のおばあさん(「おばあ~はん」と呼びます)は、
バリバリの明治生まれ、
毎日、お店の帳場に座って、
ぷか~りぷか~りと......煙管(きせる)で煙草を吸います。
もちろん、和服姿です....。粋なもんです。
髪は....どう表現していいいのか、わかりませんが、
お茶屋の女将さんの髪型にちかい....ような「純和風」です。
筆で大福帳にさっさっ~と記帳して、お茶をすするんですが.....。
様(さま)になっているんですね.....。
......母からの届け物を持って、おばあ~はん家(ち)に....
なんだか、
おトイレ以外は、ず~と帳場に座っているじゃあないだろうか
.....と思ってしまう。
そうそう、それから....
けっして、やさしい表情ではありません。
「きーっと」睨めつけているようなまなざし.....怖いもんね!
子供心に......思いましたね~ 大人の女の人は「こわい!」
とね......。
だから、おばあ~はんの帳場の両引出しなどさわったことも
みたことも、ありません。....恐れおののく世界ですから.....
でもでも、ときたま....
「これ、あげよう!」
と、帳場の右側の上のほうの引出しから.....
「お菓子」が出てくるんです。
まるで、「ドラえもんのポケット」みたいに思ったんです。
お正月ですと.....「お年玉」も出てくるんです。
......今では、煙管で煙草を吸うシーンなどは、時代劇でしか
見られないでしょうが、
スパッ、スパッ、スパッ! と小粋に三口(みくち)吸って
ポンポンと「灰落とし」に.....
そして、煙管にふーふーと息を吹きかけます。
次のたばこの時のため「通りをよく」しておくんですって.....。
ホント、なかなかのもんです!
わたしも、大人になったら....煙管で煙草を吸ってみようと!
と思ったもんでした.....。
成人になって一度だけ、煙管なるもので「霧島」という銘柄
の刻み煙草を吸ってみたのですが、
......「どこが、旨いんだろうか?」と思いましたね、正直。
それからは、「煙管への憧れ」は雲散してしまいました....。
......帳場に座っているおばあ~はんの「あれは」
きっと、
帳場で睨みをきかせるの最大の決めポーズ....だったのかも。
(おじいちゃんは、煙草もお酒も女のひとも一切なし。当然、
決めポーズもありません。おじちゃんはお料理一筋! 口数も
少な目。だからなんだろうか....。)
歌舞伎でいう「大見得」を切っていたんだったんでしょうね......。
そんな、
おばあ~はんがよく通っていた「開運のお地蔵さま」
立派でしょう!
赤穂浪士を蔭で支えた天野屋利兵衛、大石内蔵助の母堂が眠るお寺の
「聖光寺(しょうこうじ)」さんです。
寺町通りの四条を南へ少し下がったところのあるんですが、おばあ~
はんのお家からだと、四条通りを東に10~13分くらい。
だいたい、四条へお買物をして、その足で寄り道してお願いていたんです。
....なにせ、お商売人ですから。
■交通アクセス
阪急電車「河原町」下車、四条通りを西へ、寺町通りを南へ徒歩約10分。
また、また。