京かみあん~言葉のはなしをあれこれと~

『誰も知らない京の街は もっと面白い!』

「統計の数字て本当に本当?」というお話し

現代は、数字で「こうだ!」と押付けられると....弱気なわたしは
「そうか....そうなんだ」と納得してしまう傾向が多々あります。

でも、本当にそうなんだろうか?

ある新書を読んでいて
同じことを考えているヒトがいるんだと感心...
ちょっとご紹介すると....


出版業を例に取りましょう。
出版業も統計に動かされていることが多いですね。
あるテーマについての本が出版される確率はどのくらいか、
何冊売れるか、何人に支払いが必要かといつた数字を検討するのです。
しかし肝心なことは、良い本を作ることです。

たまに、ある本が予想外に売れて驚くこともあるでしょう。
これまでのデータが示すことに反して売れることが。
それはなぜかというと、人間が良い本を読みたいからなのです。
単純に良い本が売れることもあるのです。
しかし出版界ではこのことを忘れる傾向があります。
売れる本を出版したいから統計を見る。
そんなことをせずに、ただ良い本を売れば良いのではないでしょうか。

そのためには出版社も変わらなければなりません。
これまでに私は本をきちんと読む出版社とは良い仕事をしてきた経験が
あります。 読者をもっと雇用してはどうでしょうか。 例えばある出版社が100人の読者を雇ったとします。 彼らの仕事は本を読むこと、ただそれだけです。 この100人はあらゆる社会階層、教育レベルの人たちから選びます。 この人たちは出版社の居心地の良い部屋に籠って、一日中いろんな本を
読みます。 こうして良い本を見つけ出してもらうのです。 彼らは書店で好きな本を買ってきて、ひたすら読書する。
出版社は彼らに自由を与えるだけで良いのです。 読者に任せれば、たくさんの本が売れるようになると思いますよ。
とても良いビジネスモデルでしょう。 統計はいりません。読者にお金を払うだけでいい。 誰かが出版社を訪れたとき、読書室を見せてあげたらどうでしょう。 そこで、100人でなくても良い、例えば20人の人が一日8時間読書を
いているのです。 会社は美味しいお弁当を用意するだけで、それ以外は何もしなくて
も良いのです。 この人たちはただひたすら静かに読書をする。 そして月に1度、あるいは1週間に一度報告会を開いて、これらの読
者たちに批評家のように本を推薦してもらうのです。
これは統計的モデルとはまったく異なる質的モデルであり、このよ
うな変化を私は想定しています。 すべてとはいいませんが、多くの統計的戦略は質的戦略に置き換え
ることができます。
数字と洞察力の両方が必要なのです。 数字だけに頼っていたのでは、人類は滅びます。               マルクス・ガブリエル               「つながり過ぎた世界の先に」より インターネットが拡まった頃は、数字を吟味する人が存在していた
ようでしたが、ITやAIが一人歩きをしている今日この頃に至っては 「数字=真実」という数式がまかり通っている.... と感じます。 数字のもつ本当の意味・内容をもっとしっかり吟味していく必要が
あるようにも個人的には思います。 例えば、 俗っぽい話ですが、食べるもの(外食を含めて)は自分の「舌」で
見極めたいですね.... 何とかログ...美味しくないお店は私個人的には多々あったことは
感じます。 数字≠美味しい.... インターネット以前のように 美味しいものは「自力開拓!!」が一番! これも「質的戦略」なんでしょうかね?