祇園祭りは......
ほんまは「陰気なお祭り」なんよ。
おばあ~はん家(ち)に、お届けものに行くと、
かならずと言ってよいほど、
.....「~~ちゃん!」と、お店の若い衆に声をかけて
「このぼん 船鉾(ふなぼこ)に載せたってや~.....」
と、おばあ~はんの通る声。
~~ちゃんというお店の若い衆の手にひかれて......船鉾(ふなぼこ)へ。
小学生の低学年だったわたしは、お囃子(はやし)が鳴りやんでいる船鉾の上にあがらせてもらいます。
印象は「けっこう、狭いな~」です。
本当に、狭いです....この中でおはやしをするのて、大変です。
......毎年、いろんな鉾(ほこ)にあげてもらいました。
鶏鉾(にわとりぼこ)、月鉾(つきぼこ)....といっても、おばあ~はんのご近所ばかりですけれど.....
低学年の頃は、何も考えなかったのですが、
高学年になってくると....「なんで? 鉾にあがらせてもらえるのか?」
という疑問が....むく、むく....と。
これは、おばあ~はんに聞くべしと......
「祇園祭りは、大昔....疫病を鎮める意味で始まったんや.....そら、体力のない小さな子もようけ.....亡くなったんや。
各鉾には神様のお遣いがおまつりしてあるんや、そやから、鉾を係留している町屋の一階か二階には、祭壇がおかれてお守りしているんやで......。
鉾にあがらせてもらうことは、祭壇の前を通るやろ.....そこを通って、鉾に載せてもらう.....なあ、お参りしていることになるんやで~。
....孫が、病気もなく元気で育ってくれることを願っているからやで~。」
と。
......お袋から、「おばあ~はんは、7人子供を産まはったんやけど、4人も病気で亡くしたんや...」
と、聞いていたので.....
おばあ~はんの気遣いに.....『ありがとう!』.....と、思いました。』
『コンコンチキチン、コンチキチン.... 』
「ゆったりとお囃子(はやし)したはる時は、「なんとはなし、もの寂しいもの」を感じる.....
早いお囃子になったら...京都人の『なにくそ!疫病なんかに負けるもんか』
という感じがするんやで~、おばあ~はんは、な.....。」
と、教えてくれました。
「そやさかい、ほんとは、陰気なお祭りなんやで.....。」
「決して、観光のものではない! 京都の町衆のための健康を願っての祭り.....それが、京の祇園祭り....なんや~」
とも.....。
鱧(はもの)のおとしに梅肉も、美味しおすけど、
鱧の焼いたのも....また、「美味しい」....です。
おじいちゃんが、炭火の上で串を刺して焼いた「鱧焼き」.....
こっちのほうが....「好きどすなあ~」
京の裏話でした...。
また、また。