京かみあん~言葉のはなしをあれこれと~

『誰も知らない京の街は もっと面白い!』

京のおばあ~はん2....船鉾にのぼってき--!

 

     祇園祭りは......

  ほんまは「陰気なお祭り」なんよ。

 

 

 おばあ~はん家(ち)に、お届けものに行くと、

かならずと言ってよいほど、

.....「~~ちゃん!」と、お店の若い衆に声をかけて

このぼん 船鉾(ふなぼこ)に載せたってや~.....

と、おばあ~はんの通る声。

  

     f:id:kyoukamian:20190714093852j:plain

~~ちゃんというお店の若い衆の手にひかれて......船鉾(ふなぼこ)へ。

小学生の低学年だったわたしは、お囃子(はやし)が鳴りやんでいる船鉾の上にあがらせてもらいます。

印象は「けっこう、狭いな~」です。

本当に、狭いです....この中でおはやしをするのて、大変です。

......毎年、いろんな鉾(ほこ)にあげてもらいました。

鶏鉾(にわとりぼこ)月鉾(つきぼこ)....といっても、おばあ~はんのご近所ばかりですけれど.....

低学年の頃は、何も考えなかったのですが、

高学年になってくると....「なんで? 鉾にあがらせてもらえるのか?」

という疑問が....むく、むく....と。

 

これは、おばあ~はんに聞くべしと......

 

 祇園祭りは、大昔....疫病を鎮める意味で始まったんや.....そら、体力のない小さな子もようけ.....亡くなったんや。

 各鉾には神様のお遣いがおまつりしてあるんや、そやから、鉾を係留している町屋の一階か二階には、祭壇がおかれてお守りしているんやで......。

鉾にあがらせてもらうことは、祭壇の前を通るやろ.....そこを通って、鉾に載せてもらう.....なあ、お参りしていることになるんやで~

....孫が、病気もなく元気で育ってくれることを願っているからやで~。」

と。

 

 ......お袋から、「おばあ~はんは、7人子供を産まはったんやけど、4人も病気で亡くしたんや...」

と、聞いていたので.....

おばあ~はんの気遣いに.....『ありがとう!』.....と、思いました。』

 

 コンコンチキチン、コンチキチン.... 』

「ゆったりとお囃子(はやし)したはる時は、「なんとはなし、もの寂しいもの」を感じる.....

早いお囃子になったら...京都人の『なにくそ!疫病なんかに負けるもんか』

という感じがするんやで~、おばあ~はんは、な.....。」

と、教えてくれました。

 

「そやさかい、ほんとは、陰気なお祭りなんやで.....。」

「決して、観光のものではない! 京都の町衆のための健康を願っての祭り.....それが、京の祇園祭....なんや~」

とも.....。

 

 

 鱧(はもの)のおとしに梅肉も、美味しおすけど、

鱧の焼いたのも....また、「美味しい」....です。

おじいちゃんが、炭火の上で串を刺して焼いた「鱧焼き」.....

こっちのほうが....「好きどすなあ~」

 

 

京の裏話でした...。

また、また。